3Dアニメーションやバーチャルアバターなど、3D関連の人気が高まり続けています。そうした3Dモデリングを手軽に、しかも無料で行えるツールがBlenderです。
今回は、Blenderを使いたい方に向けて推奨スペックやPCの選び方について分かりやすく紹介します。どれくらいのスペックのPCが必要になるのか是非参考にしてみて下さい。
Blenderとは?
Blenderは、3Dコンピュータグラフィックスの制作やアニメーションに特化したオープンソースの3DCGソフトです。無料で利用でき、3Dモデリング、アニメーション、映像制作、VFXなど、幅広い用途に使用可能です。
3Dの専門家が使用しているMayaや3ds Maxと比較しても劣らない高機能を持ち、初心者からプロまで幅広く使用されています。BlenderはWindows、Mac、Linuxのマルチプラットフォームに対応しています。
Blenderの最小スペックと推奨スペック
最小 | 推奨 | |
---|---|---|
OS | Windows 8.1 (64-bit) | Windows 10 または Windows 11 (64-bit) |
CPU | SE4.2 をサポートする 4 コア | 8コア |
メモリ | 8GB | 32GB |
GPU | 2GBのRAM OpenGL4.3を搭載したグラフィックカード | 8GBのRAMを搭載したグラフィックカード |
最小スペックは、正常に動作させるための最低限の要件であり、推奨スペックは快適に使用するための条件です。必要なスペックは、快適さのレベルやBlenderで作るものによって異なります。
CPUが8コア以上、メモリ32GB以上、グラフィックカードは8GB以上のVRAMを搭載したものが望ましいです。快適に作業するには、これらの条件を満たすPCを選ぶことが重要です。
Blenderに最適なパーツとデバイス選び
CPU
CPUは、Blender全体の処理速度に影響を与えます。特にCPUに依存する部分が多く、3Dレンダリングやモデリングの際に多くの計算を行います。そのため、コア数が多いほど効率的に作業を進めることができます。
公式の推奨スペックでは8コアが必要とされており、IntelならCore i5 13400以上、AMDならRyzen7 以上であればその基準をクリアします。
しかし、Blenderのバージョンアップや複雑な3Dレンダリング・モデリングを行う場合、8コアでは動作が重くなる場合があるので、より性能の高いCPUを選びましょう。
Core i5 | Core i5-13400 (10コア) Core i5-14400 (10コア) |
Core i7 | Core i7-11700 (8コア) Core i7-12700 (12コア) Core i7-13700 (16コア) Core i7-14700 (20コア) |
Core i9 | Core i9-12900 (16コア) Core i9-13900 (24コア) Core i9-14900 (24コア) |
Ryzen 5 | Ryzen 7 5700 (8コア) Core i5-14400 (10コア) |
Ryzen 7 | Ryzen 7 5800 (8コア) Ryzen 7 5800X3D (8コア) Ryzen 7 7700 (8コア) Ryzen 7 8700G (8コア) Ryzen 7 7800X3D (8コア) Ryzen 7 7700X (8コア) Ryzen 7 9700X (8コア) |
Ryzen 9 | Ryzen 9 5900 (12コア) Ryzen 9 5950X (16コア) Ryzen 9 7900 (12コア) Ryzen 9 7900X3D (12コア) Ryzen 9 7900X (12コア) Ryzen 9 9900X (12コア) Ryzen 9 7950X3D (16コア) Ryzen 9 7950X (16コア) Ryzen 9 9950X (16コア) |
メモリ
Blenderの快適な操作には十分なメモリ容量が不可欠です。公式の推奨スペックでは最小8GB、推奨32GBとされていますが、実際の必要量は作業の規模や複雑さによって変わります。
一般的な使用では16GB以上が望ましく、より大規模なプロジェクトや高解像度のテクスチャを扱う場合は32GB以上が推奨されます。メモリ不足はBlenderの停止や強制終了を引き起こす可能性があるため、余裕を持ったメモリ容量を確保することが重要です。
また、Blenderは他のソフトウェアと並行して使用されることが多いため、システム全体の動作を考えてメモリ容量を選択することをおすすめします。
GPU(グラフィックボード)
Blenderでの3DCG制作において、GPUは重要な役割を果たします。公式推奨スペックでは、最低2GB VRAM、推奨8GB VRAM以上のグラフィックカードが必要とされています。
Blenderを使用しているクリエイターからは、『NVIDIA GeForce RTXシリーズ』が特に推奨され、RTX 3060以上のモデルが高いパフォーマンスを発揮します。
GPUのパフォーマンスはレンダリング速度に直結するため、予算に応じて高性能なモデルを選択することで作業効率が大幅に向上します。
上記のグラフはBlenderのコミュニティで様々なユーザーが公開している、Blenderのベンチマークスコアになります。
GPUのパフォーマンスはレンダリング速度に直結するため、予算に応じて高性能なモデルを選択することで作業効率が大幅に向上します。
モニター(ディスプレイ)
モニター選びでは、画面サイズだけでなく、解像度やフレームレートも非常に重要です。解像度が低いと、表示される映像の詳細さに物理的な限界が生じてしまいます。
特に細部を何度も確認するような作業では、高解像度でないと目が疲れやすくなり、結果的に集中力や作業効率に悪影響を及ぼします。
Blenderは複数のディスプレイ設定がサポートされているので、作業効率を上げる為にデュアルディスプレイを使用することも検討してみてはいかがでしょうか。
技術的にはすべての画面サイズで Blender を使用できますが、最適な使用には最低1920×1080の解像度
が推奨されます。複数のディスプレイ設定がサポートされています。
引用元:Blenderのシステム要件
Blender向けモニター選びの基準 | |
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サイズ | 24~27インチ以上がおすすめです。 |
解像度 | WQHD (2560×1440) or 4K (3840×2160) |
パネルタイプ | IPSパネルが色再現性と視野角の面で優れています |
色域 | Adobe RGB 99%以上をカバーするモニターが色精度の高い作業に適しています |
EIZOやBenQ のモデルは、これらの条件を満たし、Blender作業に適しています。モニターの選択は作業効率と作品の品質に直接影響するため、予算に応じて最適なモデルを選ぶことが重要です。
Blender向けPCスペックのよくある質問
- QBlenderで動作するのに必要なCPUは?
- A
Blenderで推奨されるCPUスペックは以下の通りです。
- 8コア以上の64ビットプロセッサー
- クロック速度2.9GHz以上
Blenderで快適に作業する為には、Intel Core i7/i9シリーズやAMD Ryzen 7/9シリーズが適している
- QBlenderはグラボが必要ですか?
- A
- QBlenderはどのくらいのメモリを使用しますか?
- A
Blenderのメモリ使用量は、作業中のプロジェクトの複雑さや規模によって大きく変動します。一般的な使用では16GB程度のRAMで十分ですが、複雑なシーンや高解像度テクスチャを扱う場合は32GB以上が推奨されます。
Blenderは作業内容に応じてメモリを動的に割り当てるため、以下の要因がメモリ使用量に影響します。
- ポリゴン数の多いモデル
- 高解像度テクスチャ
- パーティクルシステム
- 複雑なシミュレーション
- サブサーフェイスモディファイアの使用
メモリ使用量を抑えるには、不要なオブジェクトの削除、テクスチャ解像度の最適化、インスタンス化の活用などが効果的です。また、Blenderの設定でアンドゥ履歴の制限やキャッシュの調整を行うことで、メモリ使用量をコントロールできます。
PCの購入はBTOメーカーがおすすめ
Blender用のPCを購入する際は、BTOメーカーを利用するのがおすすめです。
BTOとは「Build To Order」の略で、ユーザーの用途に合わせてパーツを選択し、カスタマイズしたPCを構成できるサービスです。 BTOメーカーでは、CPUやGPU、メモリ、ストレージなど、Blender用に最適な高性能パーツを自由に組み合わせることができます。
BTOメーカーの多くは、Blenderのような高スペックな構成に特化したPCの構成を提案しているため、初心者でも適切なスペックのマシンを選びやすいのが利点です。 さらに、アフターサポートが充実しているので、PC初心者の方も安心して利用できます。
Blender用おすすめPC
おすすめミドルスペックPC
おすすめハイスペックPC
おすすめハイエンドPC
まとめ
BlenderはハイエンドのゲーミングPCが必要というわけではありませんが、『CPU』『メモリ』『GPU』といったパーツの知識が無いと購入後に後悔することになります。
今回紹介したスペックを目安に良い買い物ができたら幸いです。