この記事では、デスクトップ向けCPUのスコアを一覧にしたうえで、ゲーム・動画編集・事務作業といった用途ごとに「必要な性能の目安」を解説します。
CPU性能比較表【2026年最新版】
まず結論から。主要なデスクトップ向けCPUをスコア順に並べたものが以下の表です。
スコアはPassMark(CPU Mark)を採用しています。 PassMarkとは、CPUの総合的な処理能力を数値化した代表的なベンチマーク(性能測定テスト)のひとつです。数値が大きいほど高性能で、世代をまたいだ比較がしやすいという特長があります。
上位モデル比較表(高性能帯)
| CPU名 | PassMark | コア | スレッド | TDP | クロック | キャッシュ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Ryzen 9 9950X3D2 | 73,137 | 16 | 32 | 200W | 4.3 /5.6 GHz | 192MB |
| Ryzen 9 9950X3D | 70,595 | 16 | 32 | 170W | 4.3 /5.7 GHz | 128MB |
| Core Ultra 7 270K Plus | 68,484 | 24 | 24 | 125W | 3.7 /5.5 GHz | 36MB |
| Core Ultra 9 285K | 67,386 | 24 | 24 | 125W | 3.7 /5.7 GHz | 36MB |
| Ryzen 9 9950X | 66,486 | 16 | 32 | 170W | 4.3 /5.7 GHz | 64MB |
| Ryzen 9 7950X | 62,651 | 16 | 32 | 170W | 4.5 /5.7 GHz | 64MB |
| Ryzen 9 7950X3D | 62,494 | 16 | 32 | 120W | 4.2 /5.7 GHz | 128MB |
| Core i9-14900KS | 61,132 | 24 | 32 | 150W | 3.4 /6.2 GHz | 36MB |
| Core i9-14900K | 59,226 | 24 | 32 | 125W | 3.2 /6.0 GHz | 36MB |
| Core Ultra 7 265K | 58,709 | 20 | 20 | 125W | 3.9 /5.5 GHz | 30MB |
| Core i9-13900K | 58,719 | 24 | 32 | 125W | 3.0 /5.8 GHz | 36MB |
| Ryzen 9 9900X3D | 56,868 | 12 | 24 | 120W | 4.4 /5.5 GHz | 128MB |
| Ryzen 9 9900X | 54,762 | 12 | 24 | 120W | 4.4 /5.6 GHz | 64MB |
| Core i7-14700K | 52,831 | 20 | 28 | 125W | 3.4 /5.6 GHz | 33MB |
| Core Ultra 5 250K Plus | 53,296 | 18 | 18 | 125W | 4.2 /5.3 GHz | 30MB |
| Ryzen 9 7900X | 51,570 | 12 | 24 | 170W | 4.7 /5.6 GHz | 64MB |
| Core Ultra 9 285 | 50,045 | 24 | 24 | 65W | 2.5 /5.6 GHz | 36MB |
| Ryzen 9 7900 | 48,593 | 12 | 24 | 65W | 3.7 /5.4 GHz | 64MB |
| Core i7-13700K | 46,142 | 16 | 24 | 125W | 3.4 /5.4 GHz | 30MB |
| Ryzen 9 5950X | 46,189 | 16 | 32 | 105W | 3.4 /4.9 GHz | 64MB |
ミドル〜エントリーモデル比較表
| CPU名 | PassMark | コア | スレッド | TDP | キャッシュ |
|---|---|---|---|---|---|
| Core Ultra 5 245K | 43,581 | 14 | 14 | 125W | 24MB |
| Ryzen 7 9850X3D | 41,321 | 8 | 16 | 120W | 96MB |
| Core Ultra 5 235 | 40,442 | 14 | 14 | 65W | 24MB |
| Ryzen 7 9800X3D | 40,053 | 8 | 16 | 120W | 96MB |
| Core i5-14600K | 38,526 | 14 | 20 | 125W | 24MB |
| Core i5-13600K | 37,787 | 14 | 20 | 125W | 24MB |
| Ryzen 7 9700X | 37,167 | 8 | 16 | 65W | 32MB |
| Ryzen 7 7700 | 34,595 | 8 | 16 | 65W | 32MB |
| Ryzen 7 7800X3D | 34,214 | 8 | 16 | 120W | 96MB |
| Core Ultra 5 225 | 31,657 | 10 | 10 | 65W | 20MB |
| Ryzen 7 8700G | 31,588 | 8 | 16 | 65W | 16MB |
| Core i5-13500 | 31,649 | 14 | 20 | 65W | 24MB |
| Ryzen 5 9600X | 30,133 | 6 | 12 | 65W | 32MB |
| Ryzen 5 9600 | 29,391 | 6 | 12 | 65W | 32MB |
| Ryzen 7 5700X | 26,619 | 8 | 16 | 65W | 32MB |
| Ryzen 5 7600 | 27,009 | 6 | 12 | 65W | 32MB |
| Ryzen 5 7500F | 26,574 | 6 | 12 | 65W | 32MB |
| Core i5-14400 | 25,209 | 10 | 16 | 65W | 20MB |
| Ryzen 5 8600G | 25,334 | 6 | 12 | 65W | 16MB |
| Core i5-13400 | 24,858 | 10 | 16 | 65W | 20MB |
| Ryzen 5 5600 | 21,567 | 6 | 12 | 65W | 32MB |
| Core i5-12400 | 19,260 | 6 | 12 | 65W | 18MB |
| Ryzen 5 5600G | 19,807 | 6 | 12 | 65W | 16MB |
| Core i3-14100 | 15,287 | 4 | 8 | 60W | 12MB |
一覧表の見方(3つのポイント)

表を正しく読むために、最低限おさえておきたいのは次の3点です。
1. コア/スレッド=同時にこなせる仕事の数
コアはCPUの中にある「作業員」だと考えてください。コアが多いほど、たくさんの処理を同時に進められます。スレッドは1つのコアが担当できる作業の列数で、こちらも多いほど並列処理に強くなります。
2. クロック=1つひとつの仕事のスピード
表記の「4.3 /5.6 GHz」は、左が通常時のベースクロック、右が負荷時に一時的に上がる最大ブーストクロックを表します。数値が高いほど、単一の処理を素早く終わらせられます。
3. TDP=発熱と消費電力のおおよその目安
TDPは、そのCPUが発する熱の設計上の目安を示す数値です。この数値が大きいほど、高性能なCPUクーラーと余裕のある電源が必要になります。 125Wや170WのCPUを選ぶなら、冷却対策の予算も見込んでおきましょう。
用途別おすすめCPU|あなたに必要なスコアはこれ
ここからは用途別に、必要なスコアの目安と具体的なおすすめモデルを紹介します。
| 用途 | PassMarkの目安 | 重視すべき要素 |
|---|---|---|
| 事務・ネット・動画視聴 | 15,000〜20,000 | 消費電力・静音性 |
| ライトなゲーム・軽い編集 | 25,000〜30,000 | バランス |
| 本格的なゲーム | 30,000以上+大容量キャッシュ | キャッシュ・シングル性能 |
| 動画編集・配信 | 40,000以上 | コア数・スレッド数 |
| プロ用途(3DCG等) | 55,000以上 | コア数・メモリ帯域 |
ゲーム用途におすすめのCPU
ゲームで重視すべきは、コア数よりもキャッシュ容量とシングルスレッド性能です。多くのゲームは16コアを使い切るような作りにはなっていないためです。
| 予算帯 | おすすめモデル | PassMark | 理由 |
|---|---|---|---|
| 高性能 | Ryzen 7 9850X3D | 41,321 | 96MBキャッシュ+ブースト5.6GHz。現行のゲーム最上位クラス |
| 標準 | Ryzen 7 9800X3D | 40,053 | 9850X3Dとほぼ同構成で、価格差の分だけ有利になる場面も |
| コスパ重視 | Ryzen 5 9600X | 30,133 | 6コアでもゲームなら十分。65Wで扱いやすい |
| 予算優先 | Ryzen 5 7500F / Core i5-14400 | 26,574 / 25,209 | フルHD・中設定なら実用範囲 |
注意点として、X3Dモデルは価格が高めです。 予算が限られている場合、CPUをRyzen 5クラスに抑えてGPUに回したほうが、結果的にフレームレートが伸びるケースが少なくありません。
動画編集・配信におすすめのCPU
こちらはゲームとは逆で、コア数・スレッド数がそのまま作業時間の短縮につながります。 書き出し(エンコード)は全コアを使い切る処理だからです。
| 予算帯 | おすすめモデル | PassMark | コア/スレッド |
|---|---|---|---|
| 高性能 | Core Ultra 7 270K Plus | 68,484 | 24 / 24 |
| 高性能(AMD) | Ryzen 9 9950X | 66,486 | 16 / 32 |
| 標準 | Core i7-14700K | 52,831 | 20 / 28 |
| 入門 | Core Ultra 5 245K | 43,581 | 14 / 14 |
| 省電力重視 | Ryzen 9 7900 | 48,593 | 12 / 24 |
Core Ultra 7 270K Plusは2026年3月に発表された比較的新しいモデルで、Core Ultra 9 285Kに迫る性能を持ちながら価格を抑えた構成が特徴です。ただし発売直後は品薄になりやすいため、購入時は在庫状況をご確認ください。
配信も同時に行う場合は、コア数に余裕があると安心です。 ゲームの処理と録画・配信の処理を並行させるため、8コア以上を目安にしてください。
事務・ネット・動画視聴におすすめのCPU
正直にお伝えします。この用途に高価なCPUは必要ありません。
| おすすめモデル | PassMark | 特徴 |
|---|---|---|
| Core i5-12400 | 19,260 | 6コアで余裕あり。内蔵グラフィック搭載 |
| Ryzen 5 5600G | 19,807 | 内蔵グラフィックが比較的優秀 |
| Core i3-14100 | 15,287 | 4コア。用途を割り切るなら十分 |
| Ryzen 5 8600G | 25,334 | 少し余裕を持たせたい方に |
Word・Excel・ブラウザ・動画視聴といった用途なら、PassMark 15,000前後でも動作は快適です。ここに予算を積むより、メモリを16GB以上にする、SSDの容量を増やすほうが体感の満足度は上がります。
なお、グラフィックボードを別途搭載しない場合は、内蔵グラフィック(映像出力機能)を持つモデルを選ぶ必要があります。 型番末尾に「F」が付くモデルは内蔵グラフィックが省かれているため、画面が映りません。ここは初心者の方が最もつまずきやすいポイントです。
省電力・小型PC重視の方におすすめのCPU
静かなパソコンが欲しい方、小型ケースで組みたい方向けの選択肢です。TDP 65W以下でスコアの高い順に並べました。
| CPU | PassMark | TDP | コア |
|---|---|---|---|
| Core i9-13900F | 50,481 | 65W | 24 |
| Core Ultra 9 285 | 50,045 | 65W | 24 |
| Core Ultra 7 265 | 49,159 | 65W | 20 |
| Ryzen 9 7900 | 48,593 | 65W | 12 |
| Core i9-13900T | 42,793 | 35W | 24 |
| Core Ultra 5 235 | 40,442 | 65W | 14 |
特筆すべきはCore i9-13900Tです。 わずか35Wで42,793ポイントという、1Wあたり1,223ポイントの効率を叩き出しています。これは表の最上位モデルであるRyzen 9 9950X3D2(1Wあたり366ポイント)の3倍以上です。
省電力モデルは店頭では目立ちませんが、冷却が控えめで済む=静かで小さいパソコンが組めるという明確な利点があります。
CPUの型番の読み方|初心者がつまずくポイント
BTOパソコンの構成表を見ていると、末尾のアルファベットが気になった経験はありませんか。ここを理解しておくと、選択肢がぐっと絞りやすくなります。
Intelの型番ルール
| 記号 | 意味 | 選ぶときの判断 |
|---|---|---|
| K | 倍率ロック解除(オーバークロック可能) | 高性能だが発熱・消費電力が大きい |
| F | 内蔵グラフィックなし | グラボ必須。少し安い |
| KF | KとFの両方 | グラボ前提の高性能構成向け |
| T | 省電力版 | 静音・小型PC向け |
| 無印 | 標準モデル | 内蔵グラフィックあり・省電力寄り |
AMD(Ryzen)の型番ルール
| 記号 | 意味 | 選ぶときの判断 |
|---|---|---|
| X | 高クロック版 | 性能重視 |
| X3D | 大容量キャッシュ搭載 | ゲーム最優先ならこれ |
| G | 高性能な内蔵グラフィック搭載 | グラボなしで組みたい方に |
| F | 内蔵グラフィックなし | グラボ必須。価格が安い |
| 無印 | 標準モデル | バランス重視 |
「Core i5」と「Ryzen 5」は同じくらい?
おおむね同じクラスを狙った製品ですが、性能が一致するわけではありません。 数字はあくまでメーカー内部での序列を示すものです。
さらに注意が必要なのは世代の違いです。たとえばCore i5-14400(25,209)は、2世代前のCore i5-12400(19,260)より約30%高いスコアを記録しています。「i7だから上位」と考えるのは危険で、古い世代のi7より新しい世代のi5のほうが速いというケースは珍しくありません。
IntelとAMDはどちらを選ぶべき?
「結局どっち?」という疑問に、判断フローでお答えします。
ゲームが主目的 → AMD(X3Dモデル)が有利
3D V-Cacheの大容量キャッシュは、現状ゲーム用途で明確なアドバンテージになっています。
動画編集・配信が主目的 → 現状はどちらも有力
コア数の多さではIntelのCore Ultraシリーズが健闘しており、Core Ultra 7 270K Plusのように性能と価格のバランスに優れたモデルも登場しています。一方でRyzen 9シリーズはスレッド数で上回ります。
グラボなしで組みたい → AMDのGシリーズ
Ryzen 7 8700GやRyzen 5 8600Gは内蔵グラフィックが比較的高性能で、軽めのゲームなら対応できます。
長く使ってCPUだけ交換したい → AMDのAM5環境
AMDは同じソケット(CPUの差込口)を長期間使い続ける傾向があり、将来的なCPU単体のアップグレードがしやすい設計です。
迷ったら → 予算内で用途に合うほうを
正直なところ、同価格帯であれば体感差が決定的になることは多くありません。在庫状況や価格変動のほうが影響が大きいのが実情です。
CPUを選ぶときの注意点3つ
購入後に「しまった」となりやすいポイントを挙げておきます。
1. ソケットの互換性を必ず確認する
CPUとマザーボードは、ソケット形状が一致していないと物理的に取り付けられません。自作やパーツ交換を考えている方は、マザーボードのCPUサポートリストを事前に確認してください。 同じソケットでも、BIOS(マザーボードの基本ソフト)の更新が必要な場合があります。
2. CPUクーラーが別売りのモデルがある
高性能モデルの多くは、CPUクーラーが同梱されていません。別途4,000円〜2万円程度の追加予算を見込んでおきましょう。TDPが高いモデルほど、しっかりした冷却が必要になります。
3. 型番の「世代」を取り違えない
前述のとおり、i7-12700よりi5-14600Kのほうが高性能です。中古やセール品を検討する際は、必ずスコアで比較してください。 型番の数字だけでは判断できません。
よくある質問(FAQ)
- QPassMarkのスコアは、どれくらい差があれば体感できますか?
- A
目安として、10%程度の差は日常操作では気づきにくいとされています。買い替えで満足感を得たいなら、現在のCPUの1.5倍以上を目標にすると分かりやすいでしょう。
- Q中古CPUは買っても大丈夫ですか?
- A
CPUは可動部品がなく比較的故障しにくいパーツですが、保証や動作確認の面でリスクがあります。初心者の方には新品をおすすめします。
- Qコア数が多いほど良いのですか?
- A
用途によります。動画編集やレンダリングでは有効ですが、ゲームや一般的な事務作業では8コアを超えると効果が薄れていきます。使わないコアにお金を払っている状態になりかねません。
- QTDPが高いCPUを選ぶと電気代はどれくらい変わりますか?
- A
TDPはあくまで設計上の目安で、実際の消費電力は使い方次第です。ただし125Wと65Wのモデルでは、高負荷時の差は無視できません。長時間の作業が多い方は考慮に入れる価値があります。
まとめ|自分の用途から逆算して選ぼう
この記事の要点を整理します。
CPU選びで大切なのは、性能の順位を追いかけることではなく、自分の用途から必要な性能を逆算することです。上位モデルを買っておけば安心、という考え方は、多くの場合お金の使いどころを間違えさせます。
用途が決まったら、次はGPUやメモリとの組み合わせを検討しましょう。

